こんにちは。スマホがない頃の生活が思い出せないほどスマホがお友達のねまるです。
そんな私が、そして皆さんが日々確実に目にしているであろう「キュレーションサイト」、いわゆるまとめサイトを書いた時のお話をしたいと思います。
もちろんうまくまとめてる良質なサイトも存在しますが、今回私がお話しするのは「コピペだらけのくそサイト」の執筆話です。
コピペサイトに気づいてなかったあの頃
初めての妊娠。嬉しい気持ちと心配な気持ちでいっぱいだった私は、ことあるごとにネット検索を繰り返す毎日でした。
「つわり いつまで」「妊娠 職場 伝え方」「臨月 しんどい」
1日何十回、何百回と検索しては自分が知りたい情報、納得できる対処の仕方を模索していました。が、どこもかしこもたどり着く答えはなんだか同じ。別のサイトに飛んでも得られる情報はさっきと同じ。
それもそのはず。それらはどこか別のサイトの情報をコピペしてまとめただけの「まとめサイト=キュレーションサイト」だったのです。
数年前の私は何も知りませんでした。むしろ知ったのはここ2年ほどじゃないかな?世の中コピペで溢れすぎています。
コピペサイト執筆にたどり着いたきっかけ
夫の仕事の環境変化に伴い、仕事を辞めることになった私。しばらくは主婦をしていたのですが、子どもたちは幼稚園に行っていて暇を持て余すことが増えました。
買い物に出かけても欲しいものはないし、お金を使ってばかりもなぁ…というのが正直なところ。
そこで空いた時間にお金を稼げればと思って「在宅 仕事」と検索。すぐ目についたのが仕事の発注受注をオンライン上で済ませることができる「クラウドソーシング」でした。
仕事を依頼したいクライアントと、様々なスキルを持った「働き手」がお互いのニーズに合った「パートナー」と「仕事」に出会えるよう、マッチングサービスを展開しているネットサービスです。私は仕事柄、文章を書くことが得意だったので早速「前職・ライター」として簡単なプロフィールを書き、希望職種「ライティング、編集」で登録しました。その他「開発」「デザイン」などの職種もありました。
すぐさまライティングスキルを持つ働き手を求めたクライアントさんたちから、スカウトの連絡をいただきました。
「美容関係」「旅行関係」「人間関係」がテーマのキュレーションサイト運営者さんたちからのオファーが多くありました。
クラウドソーシングで求めるライターはほぼほぼキュレーションサイトで活躍する人材を多く求めているようです。出版物に関するライティングはほとんどありません。
このときの私はキュレーションサイトがどういうものだかは理解していません。
さて、その中でも私が選んだのは妊娠出産子育てに関するサイトを運営しているクライアントさんでした。決めた理由は以下の通りです。
- 本気で働きたい人、長期で働きたい人募集
今後も主人の働き先が変わる可能性のあった私は、場所にとらわれずずっと働き続けられる環境を求めていました。ここでずっと働き続けられるのであれば、今後何度かの引っ越しでもやっていけるのではという期待を抱いていました。 - 記事と見出しに沿っての執筆
ざっくりと「妊娠の話を書け」と依頼されるよりは、具体的なタイトルが決められているほうが、初心者の私にとってはやりやすいのではないかと思っていました。これが合ってるライターさんもいれば、後ほど合わないと感じる私のような人間もいるかと思います。 - 支払い予定額が高額
月額支払予定額として「5~10万円」の記載があり、私が望む報酬に見合っていました。こちらでは「5000文字以上の記事:1500円」「7500文字以上の記事:2500円」「10000文字以上の記事:3500円」という算出方法でした。手がけた本数が増えれば増えるほど、1記事あたりの単価が増えるというルールで、「今まで契約していたライターさんでは30万円以上稼ぐ方も!」の文言にやられました(笑)
このときの私はまだそれが果てしなく遠い壁だとは知る由もありません。 - ママライター募集と書いてあったので親近感
継続して続けるためにも、自分が興味のある内容を執筆し続けることが大事だと思っていました。オファーの中には「車・バイク」「芸能人のゴシップ」などもありましたが、単価は高くともその分野には疎いので最初から除外しました。今現在2人の母親をしていて、自分自身も妊娠出産時には多くの情報を必要としていた側だったので、自分と同じようなママたちに少しでも役に立てる情報を届けられたらというとってもとっても素直な気持ちで決めました。くっそー。 - 受注者からの評価数が多かった
契約を終える際に受注者はクライアントさんについて5段階で評価しますが、評価した人数が500人を超えていたので、それだけ信頼できるサイトさんなんだと思いました。
⇒これはとても浅はかな読みでした
クライアントを選ぶ時点では詳細なライティングのルールや、運営サイトのURLは働き手には開示されません。採用されて初めて知ることができます。
応募からの採用
希望をした誰しもがライターとして採用されるわけではありません。「3000文字以内でダイエットに関する独自の記事を執筆」などのテストライティングを設けているサイトが多くあるようです。私が選んだところは「用意された1000文字程度の時事ネタを、わかりやすい正しい日本語を用いて100文字以内で要約する」というものを3本与えられました。その結果に応じて採用、不採用の連絡が来るというものでした。
私の場合は午前中に3本一気に提出すると、その日の20時に採用のご連絡をいただきました。クライアント様はかなり自由なスタイルで働いている方が多いようで、連絡だったりオファーだったりは日中もあったり真夜中にあったりと時間に縛られない働き方をしている印象でした。
いざ執筆
翌日にはさっそく執筆に取り掛かることにしました。
クライアントさんと連絡を密にとるため、「チャットワーク」というチャットアプリに登録しました。記事の提出や提出期限の延長など、わからないこと、伝えたいことがあればこれを通じて連絡をとります。そしてクライアントさんからさっそく連絡がありました。とても丁寧な対応で、安心したのを覚えています。
まずは送信されてきたマニュアルに目を通すように指示されました。報酬の説明、提出期限、記事編集の仕方、記事執筆でのルールがたくさん書かれていました。全て目を通すには小一時間かかりそうです。書きながら順番に見ていくことにしました。
続けてオリジナルのライティングツールのダウンロードです。こちらのライティングツールは使ったことがなかったので大丈夫かなと思いましたが、Wordpressの投稿編集とほぼほぼ同じものでした。
執筆の記事案件に目を通してみると、常時100以上の案件が用意されていました。
「ママが産前に買うべきもの15選」「イヤイヤ期はいつ終わる?効果的な対処法10選」など。
タイトルと見出し、書くべき文字数は事前にチェックできるので、自分の得意分野に合わせて選べそうだと思いました。ちなみにびっくりしたのは私以外にも登録しているライターさんがつねに300以上いたことです。見てみると実際動いているのは40名弱で、あとはほとんど動いていない状態。私のように登録し始めたばかりなんだろうなという方も数名いらっしゃいました。
ここでようやくマニュアルを見ます。初めて執筆ルールを知ることになりました。
- キーワード、タイトルをGoogleで検索し、上位1~3位のサイトに記述されている内容から抜粋
- 抜粋した内容を言い換えて、最後にコピペチェックツールで「コピペ率20%以下」になるようにする
うわああああああああああああああ。姑息姑息姑息~~~~!
これじゃあ役に立たないダメサイト量産の片棒を担いでいるだけ!!!!!!
だから妊娠中のときに同じ答えしか出なかったんだ!他のママもこれの餌食になってるだけだ!!!!!
良心の呵責がすごいなか、私が執筆するサイトがどれなのか判明したので見に行ってみました。
とりあえずGoogle検索で10位にはヒットしないサイトでした。しかし他のライターさんの頑張りで1日あたり10件以上の新しい記事が更新されていました。
会社のことを詳しく知りたかったのでフッターを見てみました。
この①と②を押すとここに飛びます。
そして「コチラ」をクリックすると③を押したのと同じお問い合わせページにいきます。
一体どんな会社なんだろう…。
とにもかくにも、良心を痛めながらも執筆してみることにしました。(おい。)
マニュアルでは1記事あたり慣れてくると1時間で書けるとのこと!
手始めに一番文字数の少ない5000文字1500円の案件に取り組んでみることにしました。
手順は
引用先を探す
コピペする
書き換える
商用利用可能のフリー写真を貼る
似たような記事のリンクを貼る、
誤字脱字チェックをする
コピペチェックをする
さてさてねまるがかかった時間は…
5時間36分
(案件① 5000文字1500円 )
時給267円です。
わりに合わないすぎないか?
ううう~ん。慣れてないから?と思ってさらにもう一件書きました。
続いても5000文字案件です。
4時間48分!!!!
(案件② 5000文字1500円 )
いやぁ…割に合わない(笑)
まだまだこれから!10000文字案件を続けて2本
13時間14分
(案件③10000文字3500円)
11時間20分
(案件④10000文字3500円)
7500文字を1本書きました。
8時間17分
案件⑤7500文字2500円)
案件③の時給は264円、一番良くて案件②の時給312円です(笑)辛い。
1か月の執筆本数によって、1記事当たりの単価が上がるシステムなのですが、私はこれが初月だったので一番下のランク単価で算出されました。
というわけで 1か月の収益12500円でした!
5000文字(1500円)× 2件 = 3000円
7500文字(2500円) × 1件 = 2500円
10000文字(3500円) × 2件 = 7000円
これが手に入るのはクラウドソーシングサイトのルールでさらに翌月ということでした。
で、システム利用料や振込手数料を差し引いて私の手元に届いたのは
わーーーーー!!!
もしこれを時給換算したとしたら209円だし、私が働いた43時間15分を東京の最低賃金(1,013円)が支払われる場で働いたとすれば43812円…
まあ人の記事盗んでるライターごときがめっちゃ稼げたら嫌だしな…。
このクライアントさんはいくら儲けてるんだろう。
ということで1か月でこちらとの契約は終わりにさせてもらいました!
学んだこと
- 罪悪感がすごい
何度も書きましたがやってる途中は罪悪感の塊でした。こうやって量産されていくんだなぁと知ることができたので、少し疑問が晴れてすっきりしています。少し前のネットはお手軽な辞書って感覚で、内容にも信ぴょう性があったのですが、今では何を信じたらいいのかって感じです。 - 報酬が割に合わない
これはこのサイトさんに限ったことかもしれませんが、正直よくわかりません。どんどん慣れて、もっともっと自分の時間をここに費やせて本数をこなせる!って方であればいいのかもしれません。根気と粘り強さかもしれません。そして何より人の話をコピペするだけの簡単なお仕事で稼げるわけはないと学べました。 - 評価数=離職者数だった
クライアントさんの評価をするのは契約が終了したときです。つまり私であれば1か月後でしたが、3年続けていれば3年後ということになります。私は1か月で力尽きて評価する側になりましたが、このサイトの評価数は500を超えていたので、それだけ契約が終了していたということに私は気付いていませんでした。安易に数だけで信頼できるサイトって思ったのは間違いで、「離職した人」と認識するべきでした。
ちなみに5段階評価のうち私は4の評価をつけました。なぜこんなに高いかというと、対応は総じて丁寧だったし、募集要項や報酬についても「嘘」は書いてなかったんですよね…私が勝手にミスリードしていただけで、どこにも「コピペなし!」とか書いてなかったし。30万円稼ぐ人も!って書いてあるだけで、私は稼げなかっただけというお話。だから酷評をつけることができませんでした。反省です。 - 独自のルールが多くて楽しくない
これに関してはライターさんの好き嫌いになると思います。ルールがあるほうが私も書きやすいのかと最初は思っていましたし。ここのクライアントさんの文章ルールとしては「ですます調必至」「☆♪などのマーク禁止」「経験談や感想入れるの禁止」など。縛りが多すぎると文をまとめる際もルールに沿った上で不自然になってないか、極度に気をまわしてしまって疲れました。このサイトは私の独断と偏見と実体験で成り立っているものなのでもう好き放題やらせてもらってます。ストレスフリーでいいです☆
あと最後の〆の定番ワード「いかがでしたか?」の文言はしばらく見たくないですね。他のキュレーションサイトでも出てくると地味にいらっとしています(笑)
いかがでしたか?思っていた情報はお届けできたでしょうか。
ネットが身近になることで情報が蔓延している昨今ですが、正しい情報か、そうでない情報かをきちんと見極めて、ネット社会とうまく付き合っていけますように。
なーんてね!
読んでくれてありがとうございました!また読んでね!!!!!