こんにちは。皆さんは普段からお子さんに絵本を読んでいますか?
タイトルにもあるように「絵本を読むと頭が良くなる」は誰しもが一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
どうして絵本なの?ひとりで読むより読み聞かせなの?頭が良くなる理由は?
今回はその理由を、具体例を挙げながら分かりやすく解説!理由を理解すると、子どもたちにどんどん絵本を読んであげたくなりますよ。 長々と書いてありますが、絶対に読む価値はあります! 0~12歳の親御さんぜひご覧ください。
絵本を読む5つのメリット
レジャーとしての楽しさを見出せる
絵本は読んでみると単純に面白いですよね。「楽しさ」を与えてくれる一レジャーとしての役割があります。これはほとんどの人が思いつくことかと思います。
得難い経験を与えてくれる⇒授業における問題解決能力の向上
普段の生活では、視点はいつでも自分目線。しかし絵本の世界に入ると一転、自分の視点も、それがそそがれる対象も実に様々!
主人公は先生やお医者さん、八百屋さん。人間どころか動物に、虫に、太陽に、風に、音。想像もつかないようなものがストーリーの中心にいることだってあります。
舞台は現代とは限りません。地球が生まれるずっと大昔だったり、想像もつかない進化と発展を遂げた未来だったり、それとは真逆の荒廃した未来だったり。
ストーリーはお誕生日や遠足という楽しいものばかりでなく、生まれてから体験したことのない悲しい別れや、ぽかんと口を開けてしまうような摩訶不思議なお話、最後に疑問を呈してくるお話だったり。
私たちがいつもの生活では立つことのできない立場に、絵本はいつだって連れて行ってくれるのです。
いろんな立場を経験すると、問題解決能力が高まります。
これは例えば国語の授業で、作者の意図や、主人公の気持ちを問われたときなど、自分の主観だけしか見えていないと、答えにたどり着くことができません。算数や数学で応用を効かせた問題に出会ったときでも、1つの解き方だけでなく別のアプローチ方法を思いつくことができます。
またお勉強以外にも役に立ちます。何か問題に見舞われた際、俯瞰して問題背景や原因を探ることができるようになります。対人トラブルに巻き込まれても、相手の気持ちを慮り対処できるようになります。
情報を与えてくれる⇒知識の幅を広げ、興味関心に繋がる
動物の生態系だったり、環境のメカニズムだったり、機械の仕組みだったり、とにかく何かの分野、物事についてとても詳しく説明してくれる絵本がありますね。同じことを教科書で見ても堅苦しくて頭に入りづらく、図鑑はそもそも興味がないと開きません。でも絵本を読むときはお勉強という意識は薄れて「遊び」という意識だと思います。なので絵本だと「勉強を強いられている感覚」がなくすんなりと情報を享受できるのです。
単にその情報を知るだけでも十分に価値があるのですが、その情報が授業内容とリンクすることで、もっとよい効果が期待できます。
どういうことかというと、例えば絵本から「イルカは卵から生まれない」という情報をもらったとしましょう。理科の授業で「魚は卵から生まれるから魚類」と先生がお話すると、イルカの情報とリンクして「ということはイルカは魚類じゃないのかな?」というひらめきが生まれます。なんとなくでも「聞いたことがある」「あれと似てる」が授業中に頭の中に出てくると、授業に対する「興味」と「関心」が生まれます。この「興味」と「関心」はお勉強の理解度をぐーーーーんと高めてくれます。なんとなく授業を耳に入れている子と、興味・関心を持って聞く子では、圧倒的に後者の理解度が高いです。
活字に親しむ⇒正しい日本語の定着、語彙力の増加、推測力の強化
絵本は間違った言葉を扱いません。くだけた表現、わざと一風変わった使い方をすることがあっても、間違った言葉遣いはありません。私たちの日常生活には、主語や助詞を抜いた表現や、「できなくない?」というような本来であれば正しくない日本語がたくさん溢れています。もちろん話す分には問題ないのですが、物事の説明をしたり、作文・論文を書く時には「言葉を正しく扱う力」が必要となります。この力があると、書く力、話す力、読んで理解する力にも差が表れます。
また、正しい日本語の使い方が身につくだけでなく、語彙力、言葉のレパートリーも増えます。子どもと話すとき、簡単な言葉を選んで話しがちですが、絵本を読むと少し難しい言葉がさらっと使われていることがあります。
例えば「けんけつのはなし」という本には「けっかんという血のとおるくだがはりめぐらされている」という発言が出てきます。「はりめぐらす」なんて、私は子供に対して1度も使ったことがありません。でもいずれは子どもたちが出会って理解する言葉の1つです。
その「いずれ」とはいつなのか。国語の授業なのか、先生との会話なのか。先に絵本でその言葉と出会わせておけば、いずれくるその出会いは「2度目の出会い」になります。出会いの回数を増やすことでどんどん自分の中でその言葉が定着していきます。
知らない言葉が出てきたときにわざわざ意味を説明しなくても構いません。子どもたちはその意味がわからなくとも、前後の文章やストーリーの流れから頭の中で言葉の意味を推測します。これは1歳から2歳の子が、言葉の意味がわからなくてもなんとなく理解して使いこなせるようになるのと同じようなことです。教えなくても「勝手に学ぶ」のです。絵本は「語彙力」を増やしてくれると同時に「わからなくても推測する力」まで与えてくれるのです。
集中力の獲得
上記4つのメリットよりも、実はこの「集中力の獲得」こそが「絵本の読み聞かせ」における最大のメリットなのではないかと私は考えます。
例えば私たちが小説を読んでいるとき、頭の中ではいつの間にか違うことを考えてしまっていて、小説の内容が入っていないという経験ありませんか?私はしょっちゅうあります(笑)目では文字を追っていたはずなのに、知らず知らずのうちに全く関係のないことを考えている。これは「集中力の欠落」が主な原因です。(単にその小説が面白くないという場合もありますが。)小説に集中できていればこのようなことは起きません。これは学校の授業でも一緒です。聞いているつもりなのに聞いていない。「耳には入っているはずなのに、受け止めていない」状況ですね。集中力が身につくと勉強に限らず、部活や仕事、対人関係でもパフォーマンスの向上が見込まれます。
以前お話した「マインドフルネス」に通ずるお話なのですが、物事にぐっと意識を集中させる能力は、大人でも子どもでも養えば養うほどメリットしかありません。集中力は集中することを繰り返していくことでどんどん養うことができる力です。ぜひ繰り返し行っていただきたいです。
「読み聞かせる」ことのメリット
ここまで読んだ方で子ども単独の「読書」じゃダメなのかと疑問に思った方もいるのでは?正直めんどくさいな、なんて思う日もありますよね。もちろん読書でも上記のメリットを得られないわけではありませんが、「絵本の読み聞かせ」でしか得られないメリットがあります。だからめんどくさいなんて思わずにちょこっと時間をとってあげてください。
ここからは「読み聞かせるメリット」について触れていきましょう。
耳から入ったことの方が記憶に残る
自分で教科書を黙々と目で追うよりも、人から説明されたほうが記憶に残りますよね?もし目で追うだけで十分覚えらるのならば、授業で先生がわざわざお話する必要はないんです。
お子さんがアニメで流れる台詞を、うまく日常会話で使いこなしているのを目にした親御さん、たくさんいらっしゃると思います。それと同じで、目から入る情報よりも耳から入る情報のほうが圧倒的に脳に刻まれやすいんです。
読んだ方がのめり込める
記憶するという点だけでなく、これまた「集中の度合い」にも差が出ます。特に小さなお子さんであればあるほど。
先日下の子の幼稚園で保育参観が行われ、親も混ざってのフリータイムが設けられました。そのときに私が自分の子に絵本を読み始めると、他の子どもたちが寄ってきてクラスの半分の子が私の絵本を聞く状態になりました。誰も騒ぐことなくじーっと聞いてくれるのです。子どもたちの集中力の高さをまじまじと感じました。このまま無くしていってはもったいないなと改めて思いました。
親と子のふれあいの時間
絵本はちょっとしたすき間時間にも読み聞かせることができますね。公園へわざわざ連れていくとなると、荷物や移動手段など何かと気を遣わなければならないこともあるでしょう。また、体力的にも難しい、疲れていて今日はアクティブに動く気にもなれない。そんな日もあります。
私はそんなときこそ絵本を取り出します。ほぼ100%喜んで寄ってきます。子どもは絵本が大好きですから。その場ですぐ読み聞かせることができますし、何より子どもは「お母さんが相手をしてくれた!」と感じます。子どもと親で同じ時間を共有することで、子どもとの信頼関係が築かれ、子どもの人格形成や情緒の安定にもつながります。
「読み聞かせ」のポイント
読み聞かせの効果をより高めるポイントをご紹介します。
- メリハリをつけて読む
怖いシーンであれば、声を低くゆっくりに、小動物の台詞は高くすばやくなど、抑揚や緩急を意識した読み方をおこなってみましょう。そのまま読んでも面白いとはおもいますが、音にメリハリをつけることで、子どもの注意と興味をより引くことができます。 - 話し終わって感想を言い合う
読み終わった後に「どうだった?」と聞いてみましょう。2歳だと「おもしろかった」「こわかった」など答えてくれると嬉しいですね。返ってきたら「そうだね」と共感してあげてください。続けて言葉を補足してあげましょう。「うさぎさんがぴょんぴょんと跳ねて出てきて面白かったね」など。こうすることで、「親が共感してくれている」ということと「自分が言葉で表せなかったことを言葉として受け止める」という2つの経験ができます。年齢が上がるにつれ、お子さん自身が詳しく説明できるようになりますので、どんどん問いかけてみましょう。
また親御さん自身の意見も伝えましょう。例えば「つきのよるに」というお話だと、お子さんはカモシカの子どもの目線に立ちがちですが、親心が理解できるお母さん目線からの気持ちを子どもに伝えることで、新しい見方に気づくことができます。親子でいろいろな角度から、立場から読み進めてみてください。 - 絵本の選び方
私はまず図書館へ行くのをおすすめします。お子さんと一緒に好きな絵本を探してみましょう。お子さんが選ぶと、どうしても自分の好きな怪獣や動物など分野が偏ってしまいます。なのでそれらも借りつつ(←お子さんへの肯定につながるので、ダメだなんて言わないでくださいね。ちゃんと借りましょう。)親御さん目線でもよさそうな絵本を選んでみましょう。私のおすすめを随時更新しているので、こういうものを参考にしてみてもいいかと思います。
借りてとても気に入ったものに出会えたならば、購入してみるのもいいと思います。繰り返し繰り返し読むことで、言葉が身についていくので、たくさんの本を読むことも大事ですが、同じ本ばかり読むこともとても意味があるのです。 - 文字通り「スキンシップ」をする
ここまでの絵本の効果を発揮させるためにも、お子さんには「絵本の時間は楽しい」と思ってもらうことが肝心です。なので小さいうちからそのイメージを定着させることが大事です。幼いお子さんに読むのであれば、抱きしめたり手をつないだりする表現が絵本の中に出てきたときには、子どもさんをギュッと抱きしめたり手を握ったりしながら読んでみてください。子どもは嬉しくなって、絵本に対してポジティブな印象を抱くことでしょう。もちろん絵本のイメージを構築するだけでなく、スキンシップで得られる情緒の安定も得られます。
ここまでお読みくださってありがとうございます。
長々と書きましたが、純粋にお父さんとお母さんと絵本が読めるだけで、お子さんにとってはプラスです。「頭を良くしたい!」という気持ちが先行するばっかりに、押し付けがましくならないよう、親御さん自身が絵本を楽しむ気持ちで読み聞かせてあげてくださいね。